コンビニで働く男と割り箸と風鈴

ここには色んな人が来る なんでも置いてあるから
たまには変なヤツも来る なんでも置いてあるから

思ったよりも早く 僕は大人になっていた
いつしか自分で歩かなくなり なくしものが増えてた
なんでも置いてあるのに なくしものは見つからない

いつも同じ時間になると 必ず来るヤツがいる
いつも割り箸を買ってく 割り箸だけ買うヤツがいる

僕の部屋にはまだ 風鈴が出しっぱなしで
この寒い中涼しい音を 奏で続けているんだ
この部屋は君と過ごした 時のままにしているんだ

コンビニは時が止まってる 同じ時間を繰り返す
割り箸男も止まってる 同じ時間を繰り返す
僕自身の部屋も止まってる 同じ時間を繰り返す
ここから出してくれる 箱舟をずっと探してる

ここには変なヤツがいる 相変わらず割り箸男
ここにも変なヤツがいる 相変わらず風鈴部屋

大人になったけれど 何も変わっちゃいないんだ
なくしものは見つからない もう探すのもやめた
ココロに空いた穴には 何を埋めれば良いでしょう

コンビニは時を止めている もう飽きる事にも飽きた
割り箸男も止めている もうすでに用意してあるよ
僕自身の部屋も止まってる 同じ時間を繰り返す
ここから出してくれる 箱舟はもう諦めた

ある日 いつもの様に コンビニへ行く途中
割り箸男に会った そいつが抱えていたのは

数え切れないほどの割り箸で出来た箱舟の模型だった

目の前に変なヤツがいる 箱舟を抱えている
でもそいつは笑っている 嬉しそうに笑っている
いつまで経っても見つからない 箱舟を作ってしまった
何もしようとしないで 探すのを諦めていた

僕の方がずっと変なヤツだった

よく見てみればコンビニも ずっと動いていたんだ
同じ時間を繰り返してる様で 毎日違う日だった
勝手に止めていたのは 僕の時間だけだった
努力もしないでココロの穴を埋めるモノ 求めてた

そうだ ずっと止めていた僕の部屋
今日 帰ったら
風鈴を外そう
君がいなくなって空いたココロの穴を埋めるモノ
これから作っていこうと思う
風鈴を外しても
時間を止めなくても
君と過ごした部屋は ずっと消えない
君と過ごした思い出は ずっと消えない

なくしていたモノ 見つかった気がする
なくしていたモノ 歩き出す勇気・・・・・・

そう もう 君はいないんだ・・・・・・
なくしていたモノ それを認める勇気・・・・・・
[PR]
by karasimutard | 2005-03-26 04:48 | ☆ヒトを繋ぐ
<< サム 君のおとしもの >>